診 療 案 内
当院は、内科と循環器科の診療所です。「内科だったら何となく判るけど、循環器科は何を診てもらう科なのかよく判らない・・・」、そんな方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って下さい。そもそも内科自体何を診る診療科なのか、皆様は考えた事はありますか?
例えばお腹が痛くなったとします。あなただったら内科に行きますか?それとも消化器科に行きますか?はたまた手術が必要かも知れないと考えて外科に行きますか?風邪をひいた場合は内科に行きますか?咳が出るから呼吸器科ですか?ちょっと判らなくなってきましたね。
では、内科とは一体何を診る診療科なのでしょうか?
内科
お腹が痛くなった場合、内科、消化器科、外科以外にも実は循環器科、泌尿器科、産婦人科、整形外科などといった診療科が関わってくる可能性があります。風邪をひいた場合でも耳鼻咽喉科で耳鼻科的処置が必要になる時もあるかもしれません。腹痛や感冒といったよくかかる病気でも、様々な科目が出てきましたね。果たして自分は何科にかかれば良いのか…、判らなくなった時こそ内科にかかって下さい。
最初の受付窓口になれる唯一の診療科こそが内科なのです。
腹痛といっても消化器科的なもの、外科的なもの、泌尿器科的なものなどいろいろな原因があります。
風邪といっても肺炎や気管支喘息を併発しているもの、中耳炎を併発しているものなど様々な病態があります。まず内科にかかってその後の診療方針を立てて貰う、それが賢いやり方です。内科とは各診療科を指揮し、連携を図る統括マネージャーの役割を果たす科だと考えて下さい。これは別の見方をすればかかりつけ医、主治医に最適な診療科だと言えます。
循環器科
従来、循環器科が担当してきた狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患や、不整脈疾患の治療は勿論ですが、その他にもっと大事な使命があります。循環器科は動脈硬化予防に全力を尽くす診療科だと考えて下さい。動脈硬化の行き着く果ては心筋梗塞症と脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患です。
わが国における死亡原因の第一位は悪性新生物(いわゆる癌)ですが、心筋梗塞と脳血管疾患を動脈硬化性疾患としてひとくくりにすると、悪性新生物に僅差まで近づきます。
高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症などの脂質異常症、肥満症、メタボリック症候群などは何の為に治療を行うのでしょう?
それは動脈硬化の予防の為に他なりません。極端な言い方ですが、もし高血圧症が動脈硬化を引き起こさないとしたら、血圧は下げなくても良い事になります。
しかし残念ながら、これらの病気は放置すると動脈硬化が進行してしまいます。将来心筋梗塞や脳梗塞を引き起こさないようにする為に治療を行うのです。厄介な事にこれらの病気の一番怖い所は自覚症状が無い点です。それゆえ放置しがちで、“ゆるやかな自殺”などと呼ばれる所以です。
ずっと付き合って行かなくてはならない病気ばかりですから、最新の診療ガイドラインをふまえながらもその治療は永く続ける事の出来るものでなくてはなりません。
また、担当医が変わる度に治療方針が変わるものであってはなりません。しっかりコントロールして行きたいものです。
禁煙外来
これまで述べてきた疾患の他に動脈硬化を起こす重要なファクターとして“喫煙”があります。当院では禁煙外来を設置して真剣に取り組んで行きたいと考えております。
“喫煙”だけが自分の意思によって完全に断つ事の出来るファクターです。
高血圧症にしろ、糖尿病にしろ、肥満症でさえ親から受け継がれた体質(現代的な言い方をすると遺伝子:DNAと言う事になります。)が影響して、ある意味自分の努力だけでは如何ともし難いものがあります。しかし、“喫煙”だけは自分の努力によって如何ようにでもなるのです。
また、煙草の煙は自分だけが吸うのではありません。厳しい言い方をすれば、他人の動脈硬化を進行させてしまう“ゆるやかな他殺”にもなってしまうのです。禁煙してみようという自分の意思だけが起こり得る不幸を回避出来る手段です。
安心してください・・・
当院では内科専門医として、診療所・一般病院・基幹病院・大学病院を連携する診療ネットワークの要となり、あなたの健康の管理をして行きます。また、循環器専門医として循環器科対象疾患に対し、一貫した治療方針で一生涯に亘りサポートして行きます。禁煙もまずトライしてみようという気持ちが大切なのです。その気持ちは軽いもので構いません。当院がその気持ちをそっと後押しします。